BTG『大陸西遊記』~中之島仙人による 三次元的歴史妄想記~
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浙江省 舟山市 ~ 人口 115万人、 一人当たり GDP 40,000 元


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  定海県城跡(昌国県城、昌国衛、舟山所城、翁山県城、定海直隷庁)
  舟山アヘン戦争 遺跡
  沈家門渡の港町(倭寇時代の軍事要塞:沈家門寨)



【 舟山市の 歴史 】

舟山諸島には古代遺跡が多数存在している ー衢山名護家山遺跡、白泉十字路遺跡、馬岙古文化遺跡、岱山大舜廟后墩遺跡などー。5000年以上前の新石器時代より、諸島一帯には人類が生息し、土地を開墾し、漁業や製塩などを手掛けていたとされる。この地方の原始文明は海島河姆渡文化と総称されているという。

春秋時代には定海一帯は越国の版図下に置かれ、甬東(甬江の東方一帯)と呼称されていたようである。
時は下って唐代の 738年、翁山県が新設される。しかし、763年には廃止されてしまう。

舟山市

さらに時は下り、北宋朝時代の 1073年、昌国県が再設置される(上地図は南宋時代のもの)。 南宋初期のころ、島内には港町として、舟山渡(今の 定海衜頭東岳営山の麓)、竿纜渡(今の干覧鎮)、金塘渡(金塘島) が存在していたとされる。

舟山市

元代には昌国県が昌国州へ昇格される。
1283年に実施された統計では、昌国州内の在籍人口は 22,640戸(総勢 126,005人)との記録が残されているという。 このころ、島内の港町も南宋時代からの 舟山渡、竿纜渡、金塘渡に加え、 沈家門渡(現在の 舟山市普陀区)、册子渡、泗洲塘(堂)渡が増設されていたようである。
なお、筆頭港町ともいえる「舟山渡」が 慶元府(今の寧波市)と 昌国州役所との公的な指定航路に策定されており、 新たに開拓された港町の「沈家門渡」は 昌国州城(今の 舟山市中心部の定海区)と 普陀山、朱家尖、桃花、登步島、六横諸等などの航路を担当することとされていた。

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明代の 1369年、昌国州が昌国県へ降格される。このころ、沿岸部の守備兵は少数で、 倭寇による襲撃被害が拡大したことを受け、島内に 1379年、昌国守御千戸所が、1384年には昌国衛岑港、および 螺峰、宝陀(普陀)、岱山の四所巡検司が開設される。

それでも倭寇による侵略は防げず、ついに1386年、昌国県は廃止、さらに島民 547戸(8,805人)に本土への強制移住が発令されるに至る(翌年中にも県役所は転出され、 住民避難も完了する)。

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同時に、明朝は島内に兵士の駐屯施設を多数設置していく。まず、現在の寧波市象山県にある東門島に昌国衛が開設され、 舟山島本島には中左両千戸所が設置された。この時代、昌国県城は 舟山県城(舟山所城)と呼称されるようになり、 昌国衛(今の 寧波市象山県)の管轄下に置かれた(1392年に 定海衛【今の鎮海市】の管轄下へ移籍)。

さらに、1387年、舟山所城の南 1 kmのところに舟山関が、また 螺頭、椗次、大展、小沙、 路口嶺(今の 勾山街道芦花)、岱山の 6駐屯地と、沈家門寨、西碶寨、干纜寨の 3要塞と 28箇所の狼煙台が設置される。 この海域は、倭寇の船団が必ず通行する場所であり、重点的に防衛施設が建設されたようである。 沈家門寨、西碶寨、干纜寨の 3要塞はじめ、各地の軍事拠点には、多数の兵船が常駐されたという。

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明代中期以降は、舟山諸島一帯は倭寇に占領され、その根拠地の一つとされていたようである(上地図参照)。 沈家門寨すなわち、今の舟山市普陀区の要塞へ明軍が攻撃をしかけていたことが伺える。

清代初期、倭寇の襲来で荒廃していた島嶼部への移民奨励が 2度、行われている。そして 1687年、舟山所城に改めて定海県役所が新設される。
清朝末期の 1841年、アヘン戦争の最中に対英戦争への備えから、定海県が直隷庁へと昇格される(下写真)。最終的には、清朝最晩年の 1911年、定海直隷庁が定海県へ戻される。

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共産党中国の誕生直後の 1949年、浙江省寧波専区下の定海県となり、度々の変遷を経て、1987年に現在の舟山市制がスタートする。

現在の普陀区は中国最大の漁港の一つとされており、「漁都」とも別称されるほどである。
なお、舟山市中心部(定海区)の旧市街地に設置されていた 昌国県城跡(昌国州城、定海県城)であるが、現在では城壁も城門跡も全く残されていない。しかし、路地名や地名にはかつての名残が数多く刻み込まれていた。北門野菜市場、環城北路、環城東路、環城西路、環城南路、総府路、東大街、東関路、東門口(バス停名)、東門野菜市場、新東門バスターミナル、西門賓館、西門面店、城中河、観音橋路など。

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