このディンには語り継がれてきた伝説があり、紀元前 2世紀、アンズォン(安陽 An
Dương)王の時代に活躍したといわれるリー・オン・チョンが村の守護神として祀られている。村の守護神は、ベトナム語では Thành
Hoàng(タインホアン)と言われ、漢字は“城隍”にあたる。“隍”は、城のからぼりのことで、城を守る意を持つ。リー・オン・チョン(Lý
Ông Trọng
李翁仲)(本名:リー・タン)は、子供の頃から体が大きく、賢く、しかも礼儀正しい若者とされる。忠誠心に富み、文武両道の才にたけていたとも言われている。当時、中国は秦の始皇帝の時代で、北部国境地帯では北方騎馬民族の匈奴の脅威にさらされている。始皇帝の要請をうけ、アンズォン王は国境警備のために オン・チョンを差し向けたとされる。